立山・剱岳'98
〜大雨でイレギュラーの訪問〜

日程 1998年8月13日(木)〜17日(月) 夜行+山中2泊+夜行  ガス+ガス+雨 
山域 北アルプス(富山県)
形式 小屋泊(自炊) 周回型
メンバー JO
行程 8/13(木) 新宿22:30(さわやか信州号)=
8/14(金) =有峰口駅05:30/06:26(立山行きの地電)=立山06:45/07:10(ケーブル)=美女平07:17/07:20(高原バス)=室堂08:20(朝食)/09:05−一ノ越山荘09:55/10:10−雄山11:10(昼食)/11:40−神社参拝11:45/12:10−大汝山12:30/12:45−富士ノ折立13:10/13:20−真砂岳通過(13:50)−真砂乗越14:20/14:30−別山14:50/15:10−剣御前小屋15:30(泊)
8/15(土)  剣御前小屋04:55−剣山荘05:50/06:10−前剣07:10/07:20−剱岳山頂08:50/09:20−場所不明10:40/10:50−一服剱11:45/ 11:55−剣山荘12:10/12:20−剣御前小屋13:40(昼食・パッキン グ) /14:00−雷鳥坂14:40/14:45−雷鳥沢ヒュッテ15:40(泊)
8/16(日)  ヒュッテ09:45−室堂ターミナル10:20/10:40(高原バス)=美女平11:35/11:40(ケーブル)=立山11:47(昼食)/12:21 (地電) =富山駅13:3?(観光など)/22:56(急行能登)=
8/17(月) =上野06:10頃 
温泉 雷鳥沢ヒュッテ内に温泉あり。日帰りもやっていた。
参考HP 剣御前小屋HP
コメント 鎖場が連続する山では、どこで抜こうか、先に行ってもらおうか、迷いますね。なんて、そんなこと気にする余裕はあんまり無かったですけど(笑)。

   
           
 ◆◆ アプローチ ◆

   
出発
       当初、テント泊で、折立〜黒部五郎〜双六〜鏡平〜新穂高温泉と
       いう ルートでの山行を計画していたが、天候に恵まれないであろう
       ことは、 出発前から予想がついたので、テントは置き、小屋に泊ま
       る事に。

   夜行バス
       予備日を1日設けることを考えると、仕事の後に、夜行バスで出発
       する事は、やむをえなかった。仕事の後、銭湯に寄ってから新宿へ。
        横浜始発の「さわやか信州号」に、東京都庁地下のバス停から乗車。
        クーラーも効きすぎず、車内は快適→爆睡ZZzz。。。
 
    予定変更
        有峰口の駅で、バスを下車する時に初めて、バスの運転手に、
        折立行きのバスの運休を知らされる。とりあえず、下車した
        他の2人の方と、駅に行き、詳細を聞く。
         林道は全て遮断と聞かされ、山行自体 の変更・中止を余儀な
         くされる。 前線が南下し、午後から天気が回復することは聞い
         ていたので、 立山周辺の山を登ることにして、有峰口から地電・
         ケーブル・バスを乗り継いで、室堂まで行く事にする。

                                          

↓↓↓
   
               ◆◆ 1日目◆◆


       8/14(金) =有峰口駅05:30/06:26(立山行きの地電)=立山06:45/07:10(ケーブル)=
            美女平
07:17/07:20(高原バス)=室堂08:20(朝食)/09:05−一ノ越山荘09:55/10:10
             雄山
11:10(昼食)/11:40−神社参拝11:45/12:10−大汝山12:30/12:45
             富士ノ折立
13:10/13:20−真砂岳通過(13:50)−真砂乗越14:20/14:30
             別山
14:50/15:10−剣御前小屋15:30(泊)



     室堂到着
          雨は降っていないものの、一面ガスが立ち込めていて、視界が
         利かない。 とりあえず、お湯を沸かし、軽い朝食をとっていると、
          面白いほどに雲が晴れ、みるみる、雄山が姿を現す。それをみて、
         「とりあえず、一ノ越まで 行ってみて、そこでまた考えよう。」
         と決めた。 自然保護センターに登山届けを出して、出発する。
        

      
      雄山神社
         神様には悪いが、神社到着後、お参りもせず、すぐに昼食をとる。
         その後、神社に参拝。400円かかることと、混雑ぶりに躊躇した
         が、この後の行程の無事と好天を祈っていく事にする。鈴がついた
         紙の御札をもらう。お神酒をいただき満足。観天望気で今日は、
         別山乗越の剣御前小屋まで向かう事に決定。

  
                 雄山神社 
                                      【雄山神社】



 
     
大汝山

          ピークで、ここまで来たという証拠写真をとる。 この辺から、
          ガスが再び出てきて、徐々に展望が利かなくなってくる。


  
     真砂乗越
         婦人物の帽子が落ちているのを発見。別山方面からピストン
         する人も多かったため、上に石を幾つか置き、その場に残す
         事に。その時に、言葉を交わした男性二人と、翌日、雷鳥沢で
          再会し、富山まで行動を共にする事になる。


   
    
オコジョに会えた!!
         真砂乗越を歩いていると、前を小さな動物が横切り、パッと
         ハイマツに入るのを見つけた。足を止めると、ハイマツから
         そろりと、茶色の小さな生き物が現れ、その体の小ささとは
         不釣り合いな大きな目で こっちを見つめるではないか。
         本でしか見た事のない「オコジョ」だという ことは、すぐ分かった。
         5分ほど、見つめ合っていたが、後続の登山者が来ると、ハイ
         マツの中に再び姿を消してしまった。


   
    
別山
         雷鳥平と剣沢のテント・サイトは良く見えたが、剱岳は姿を見せ
         ない。 20分くらい粘ったが、あきらめて、御前小屋に向かう。
         小屋は別山からは見えないので、途中、不安になったが。時計
         をみる と、そんなに長くは歩いていなかった。エアリアのコース
         タイムと同じ、 別山から20分で小屋に到着。

                 別山への縦走路
                      【真砂乗越からみた別山】


 
    
剱御前小屋にとまったわけ
         この時点では、まだ、翌日、剱に登ろうとは、決めていなかった。
         下調べはある程度はしていたが、まさか、今回、立山方面に来る
         とは思っていなかったので、剱に登るための心の準備が出来て
        いなか ったのだ(汗)。槍の穂先から降りるとき、恐さを紛らわすた
        めに、歌を歌ったこともある私には、剱岳を登るには、かなりの
        勇気が必要(^^;。

        それなのに、何故、今回、剱に登ろうと考えたのだろう。
        単に、恐いもの見たさと、 ピークから富山湾をみたい。こんな気持ち
        からだった。剱には登りたい、 けれどもなあ(笑)。翌朝のガスの
        状態で、剱に行くか決めようと考え、行くにせよ、行かないにせよ、 
        動きが取り易い、御前小屋 に泊まることに決めた。 

  

↓↓↓

        
                     ◆◆ 2日目◆◆


        8/15(土)  剣御前小屋04:55−剣山荘05:50/06:10−前剣07:10/07:20
             剱岳山頂08:50/09:20−場所不明10:40/10:50−一服剱11:45/ 11:55
             剣山荘12:10/12:20−剣御前小屋13:40(昼食・パッキン グ) /14:00
             雷鳥坂14:40/14:45−雷鳥沢ヒュッテ15:40(泊)
  


     決心
          前夜から、ガスがかかっていたら奥大日岳のピストン。雨が
          降っていたら、 雷鳥平まで下って、小屋で温泉三昧、と決め
          ていたが、朝起きると、 あまり、ハッキリしない天気だった。
           風は、そんなに強くなかったし、 上空には雲があったが、
           剱や周辺の山々にはガスはかかっておらず、 薬師岳や
           鹿島槍も見える。雲が動き始める前に、大方の行動を終わ
           らせられればと考え、剱へのピストンを決行する事に。
           ザックカバーに、不要な荷物を積め、小屋の脇にデポして
           5時前に出発。



       剣御前からの朝焼け
                      【剣御前小屋から後立山方面】



     剱御前小屋〜一服剱
           御前小屋からは、剱御前を通るルートと、剣山荘を通る
           ルートなどが あるが、出発しようとしている私に、親切に、
           「剱山荘」を経由していった ほうがいい、と教えて下さる方
           がいたので、そちらから行く事にする。



                  剱岳




     一服剱〜前剱
           登りと下りでルートが別れている箇所があった。クサリも
           数箇所 につけられていた。この先の、カニのたてばい、
           横ばいでは、皆が 緊張するだろうが、こちらでも同様に
           緊張すべき。ちなみに、登りの際、一服剱から見えるのは
           前剱まで。その奥に ピークがあることを考えると、少々
           元気がなくなった(笑)。


 
     前剱〜剱岳山頂

           「カニのたてばい」では、ある程度の箇所にはボルトが
           打ち込んであるので、思ったより楽であったが、下りの
          「カニの横ばい」は、ガスがふきあげてくるために、鎖と足元の
          岩が、ビショビショに濡れていて、緊張した。冗談抜きで膝が
          震えてしまった。 しかし、何より、恐かったのが、「カニの横ばい」
          の後、前後の登山者と差が開き、ガスが吹き上げる岩場で一人に
          なってしまった時であった。 「こんな所で、滑落しても、誰にも
          気がつかれないだろうなあ」と 思うと、自然と、岩にかけた手に
          力が入った。

                      蟹のたてばい
                       ◆鎖場に人・人・人◆

          頂上では最初のうちは、後立山。黒部五郎。針の木、富山湾が
          見えた。 槍ヶ岳の頂上よりは広かった。寒いながらも、すっかり
           長居してしまった。


 
      
         剣山荘の手前から、雨が降り出した。剣御前小屋にデポしてきた荷物
          が気になるし、行程中、たくさんの方に、お菓子やらフルーツやら
          を おすそ分けしていただいたおかげでお腹も空いていなかったので、
          お昼は後回しにし、御前小屋まで急ぐ事にした。この時は、まだ御前
         小屋 に泊まろうか、雷鳥平まで下ろうか決めていなかったが、昨日
          真砂乗越で言葉を交わした男性2人に、雨に濡れながら歩いてい
          た時に再会し、「雷鳥沢ヒュッテは温泉があるよー。雨の後の
          お風呂はいいよー。」勇気づけられ雷鳥坂を下って いくことに決めた。

          剣御前小屋の売店で、カップうどんを買ってお腹を満たすと、ザック
          に すべての荷物をパッキングし、雨の中を雷鳥沢まで一気に下る。

                    室堂とナナカマド
                                  【眼下に室堂】


 
      雷鳥沢ヒュッテ

            小屋泊まりの経験が少ない私に、雷鳥沢ヒュッテは、ある種の
          カルチャーショックを与えた。まず、風呂がある(しかも24時間入浴可)。
          水がただ。しかも、洗面所(これがあることにも驚いたが)の蛇口
          から、くみ放題。ジュースの種類が豊富。スリッパがある。ハンガー
          がある。卓球台がある。他にも、いろいろあったが、数え切れない。
           実に快適な夜を過ごす事ができた(^。^)v
 

     
        地震
           16日の午前3時30分頃、立山でも地震があった。 震度は
           それほどでもないように感じたが、今朝、帰宅した折りに、新聞
           をみると、富山市や高山では震度3を記録したそうだった。

                   

↓↓↓

   
               ◆◆ 3日目◆◆


        8/16(日)  ヒュッテ09:45−室堂ターミナル10:20/10:40(高原バス)=
                  美女平
11:35/11:40(ケーブル)=立山11:47(昼食)/12:21 (地電) =
                  富山駅
13:3?(観光など)/22:56(急行能登)=
         8/17(月) =上野06:10頃 


     下山、富山市へ
           雷鳥沢ヒュッテに温泉があると教えて下さった男性二人と、
           ヒュッテ の談話室で再会。天気が良くなれば、奥大日岳に
            一緒に行こうと 約束をしたが、夜半から雨がひどくなり、
           濃いガスが辺りを覆ってしま った。翌朝、雨は弱くなったが、
           ガスと風は相変わらず。 結局、その男性2人にお供させて
           いただき、下山。一緒に富山 へと向かい、夜行の「急行能登」
           を待つ間、おいしいお酒を飲んだ。
        

      
      出会い
          このお二方を含め、今回の山行では、いろんな方にお世話に
          なってしまった。行程中、一人で休憩をとっていると、隣から
          お菓子を差し出し て下さったかたは、数え切れなかった。
          自炊をしていれば、隣に座った方 がお酒を差し出して下さる。
          剱に行こうとすれば、こっちのルートのほう が良いよ、と教え
          て下さる。一人ぼっちの山行でしたが、本当にいろいろなかた
          にお世話になってしまいました。「一人」ではありましたが、
          「独り」 ではありませんでした。今回は、知識も物も、いただく
          ばかりでしたので、今後、山で会う方に分け与えることのできる
          知識や技術を身につけていきたいとひしひし思う山行でした。

  

↓↓↓


* * *おたのしみ* * *

                  ◆◆温泉: 雷鳥沢ヒュッテ◆◆
                            
          ◎ぬるめで広々とした温泉。窓の外に、どどーんと立山連峰
            を眺めながらゆっくり湯船に浸かれます。極楽極楽。
            日帰り入浴は400円くらいだったような・・・(^^;。
           評価:★★★☆☆(独断と偏見ですm(__)m)



                ◆◆富山でうまいもん食べまくり◆◆

         ◎お店の詳細は忘れてしまいましたがm(__)m、3軒ハシゴ
          しましたが、どこも魚介類がめちゃめちゃおいしくて、
          そのうえリーズナブル。富山の印象がぐっと良くなりました。
             って、全然役立たない情報でスンマセン


  山行記録[年別/地域別/季節別]