◆◆ 山ん中 ◆◆
天気は晴れ。知らないうちに山はすっかり秋になっていた。なんだか寒い。
とぼとぼと入渓点まで歩き、「ヌク沢」の看板脇で沢支度に。初っ端から
堰堤が現れ、更にモチベーションが下がる。でも、ここを乗り越えると、
ナメがあったり小滝を乗越したりと、奥秩父らしい癒しの沢の風景。
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楽しいな〜ってウキウキしだすと、またもや巨大堰堤が現れる。とほほ。
ここで「近丸新道」と交差。ここまで登山道をショートカットしてきても良い
けど、下部もそれなりに綺麗な沢なので、カットしてはもったいないかも。
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しばらく、雰囲気の良い流れの中を歩いていくと、堰堤が次々現れる。
今日は全部で6つの大きな堰堤を越えなくてはいけない。その都度、右へ
左へ踏み跡をたどって乗り越える。5つ目の堰堤は左から越える。
と、右前方に林道の大きな橋脚が見える。ここが二俣らしい。左俣に進み、
ナメに喜びながら進むと、あっというまに3段50mの滝。「50m」といっても、
階段状の薄暗い狭い流れを登っていくだけで、高度感もなく「通過点」といっ
た感じ。そこを登ると、ドカーンと現れました大滝が・・・。
*** 大滝(中段) ***
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ガイドブックによっては「280メートル」だとか「260メートル」とか「200メ
ートル」とか。要はそれだけどかーんとデカイのだ。2003年版の山と高原
地図「金峰山・甲武信」を見ると、そこは「幻の滝」と書かれていた。大滝は
「上段」「中段」「下段」の三段からなっているらしいけど、全部はいっぺん
には見渡すことができず、見上げれば青空をバックに、天からしぶきが
降ってくる。「幻の滝」って名前に負けていない迫力。圧巻!
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下段は右側の乾いた岩を登る。バンさんは水流沿いにこだわって登って
る。いやらしいところはないけれど、高度感がたまらず、無我夢中で岩に
むしゃぶりついて登る私。ふ〜。
お次は?と、中段を見上げるものの、「中段」だけでもいっぺんに眺めること
もかなわない。ここは、トシちゃん・私は巻くことにし、バンさんは直登。
巻き道もいやらしく、ぐずぐずの急斜面を騙し騙し登っていく。途中、滝を
登り終えたバンさんが迎えにきてくれる。「そこからトラバースしてこっちに
くれば中段の上に出られますよ〜」って教えてくれるものの、ぐずぐず斜面
のトラバースは泣けるほどキライ。ロープを出してもらい、ひーひー言いなが
らトラバース。
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中段の落ち口に出て振り返ると、富士山が綺麗に見えている。感動す
る間もなく、ラストの「上段」に取り掛かる。トシちゃんは左の草付から、
バンさんと私は右側から登る。バンさんにロープを出してもらったものの、
右壁はヌルヌルでいやらしい。半分引き上げられる形でクリア。
*** うっすら富士山 ***
*** 大滝(上段) ***
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上段の上は、綺麗なナメの連続。あー、癒される〜〜。
ナメはどんどん細くなり、源流チックな風景に。
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左右がガレてくると、いよいよツメに入る。ガイドブックでは、源頭部
から左岸の踏み跡をたどり、奥秩父縦走路に出るようになっているが、
ここでバンさんから「右岸から尾根に上がり、奥秩父縦走路じゃなく、
直接戸渡尾根にショートカットしてみては」と提案が。
しかーし、近道ほど遠いものは無かったりするっていうのは過去の教訓
(特に5月の燧ケ岳からの下山。近道教えてあげるって言われて地元
の方についていって泣きが入った・・・)。
そんなわけで、アンパイに、踏み跡たどって素直に奥秩父主稜線に出る
ことに。
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下山は「コースタイムは3時間だけど、2時間でおりますから」と丁寧
に、だけども有無を言わせない迫力のバンさんに引っ張られテッテケ下山。
笑い出すヒザをなだめつつたどりついた駐車場から、温泉+イノブタ料理
のお店へ直行。
イノブタバーベキューを「共食いだ」と言われながらも(こんにゃろ、トシ
め〜!!)、満足満足。帰りは中央道30キロ、東名40キロの大渋滞を
避け、道志みちをひたすら走って帰路につきました。
バンさん、トシちゃん、アリガトー!そしてお疲れ様〜。
Photo
by bann
Special
Thanks!!
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