鳥海山'08
〜10年ごしの夢、山頂へ・・・〜

日程 2008年7月31日(木)
山域 鳥海山
形式 日帰りハイキング
メンバー JO
行程 象潟駅05:50発バス=鉾立06:30〜御浜小屋07:50〜七五三掛08:50〜千蛇谷〜新山10:20〜湯の台への分岐11:45〜大雪渓〜河原宿小屋12:45〜横堂14:35〜家族旅行村15:05(15:50発バス)
参考HP 鳥海山登山ガイド(バスの時刻も調べられます)


   
           
 ◆◆ アプローチ ◆

   
鳥海山。初めてこの山を意識したのは学生時代のとき。
      北海道合宿の帰り、村上始発の夜行列車に乗るために日本海沿いをワンマン
      列車にカタコト揺られ南下していたときに、目に飛び込んだその端正な山容に
      一瞬で惚れてしまった。

       「あれ、なんていう山!?」

     家に帰ってすぐその山の名を調べた。
     その翌年、また北海道を旅した帰り、登るつもりで準備したエアリアマップ。
     けれども北海道を出るときには財布の中には千葉まで帰れる電車の切符の
     ほかは、もう小銭しか入ってなかった。
    
       「これじゃ登山口まで行けない・・・(ToT)」

   
         泣く泣く諦めた。そしてそれから10年がたち・・・。

                       <今回のルート>
              


                           

↓↓↓
   
               ◆◆ 山ん中◆◆

    東京駅21時20分発の夜行バス「ドリーム鳥海号」でアプローチ。
        象潟駅に早朝(05:15)に到着(運賃8770円)。駅前からは鉾立行きの
       バス05:50発に乗れば06:20すぎには歩き始めることができる。

                  
                   鉾立にて。このバスで象潟駅からアプローチ。

     鉾立から「熊注意」の看板を尻目に登りはじめると日本海が眼下に広がる。
       これがこの山の「売り」でもある。奇麗に石が敷き詰められた登山道を行くと、
       賽の河原に出る。ニッコウキスゲのお花畑に癒されながら、御浜小屋まで
        ゆるゆると高度を上げる。

        
     初っ端からこの看板。あわわ。      鉾立を振り返る。バックは海。

 
  
     深い谷の向こうは頂上方面                  右の斜面をGWに滑った


  
     平たく石が敷き詰められ、                    まだ海が見える
        良く整備された登山道


  
        まだキスゲが咲いている                 賽の河原を見下ろす
 
   
          稲倉岳のほう?                   御浜小屋に到着


   御浜小屋まで出ると、すり鉢状になった草原の底にある鳥海湖を見下ろす
       ことができる。目の前には千蛇谷を抱いたゴツゴツした外輪山がダイナミック
       に広がる。そこかしこにニッコウキスゲをはじめとする夏の花々が咲き競い、
       風に揺れている。

         たまらんな〜。

       「昨日は何も見えなかったわよ」「良い日に登ってきたわね」
      頂上の小屋に宿泊し、下山してきた登山者とすれちがう度にこう声をかけて
      もらい嬉しくなる。

   
    御浜小屋から鳥海湖を見下ろす              不気味な形のチョウカイアザミ

  
          癒される〜〜                      黄色い点々はキスゲちゃん

  
                    いろんな種類のお花が咲いていました      

  

  
           扇子森から山頂方面              GWに同じ場所で撮った写真


                 
                   左の高いところが新山(最高点)あたり。
                     今回は、谷(千蛇谷)に降りて、外輪山を
                        まわり、大雪渓(右側の向こう側)におりる。

  


    七五三掛から登山道は外輪山経由と、千蛇谷経由の道とに分かれる。
      登りは千蛇谷から行くことにする。ガレた急坂を谷まで降りる。
      千蛇谷へおりる途中に出合った年配グループが、「孫がとおりまーす」と
      言って先に行かせてくれた。先行させてもらうときに「急行が通りまーす」とか
      はあったけど「孫が・・・」ってのは初めてだ。「おお、孫は早いな〜」と言われ
      赤面しながら登る。

   
        荷揚げのヘリコプター              七五三掛から千蛇谷におりるところ    


    千蛇谷のルートでは雪渓を何度か横切る。雪渓の上にはルート上にトラロープ
     が敷かれているので、分かりやすい。徐々に傾斜が増すので息も上がる。さっきか
     らヘリコプターがひっきりなしに小屋と行き来している。

      小屋に今まさに到着するときに、またヘリコプターがやってきた。ヘリポートの手前で
      待っていると、ヘリもホバリングしながら待っている。
      通過してよいのかどうか迷っていると、小屋のほうからトイレ建設工事の作業員が
     慌てたように迎えに来てくれたので、誘導されながら鳥居のほうへ小走りで移動する。
      と、ヘリが待ってましたとばかりに到着し、工事作業員を数名乗せてまた去っていった。
      ヘリが行ってしまうと、小屋や神社の影から、退避していた登山者たちがぞろぞろ出て
      くる。聞くと、みながあわてて物影に避難し、ヘリがいざ着陸、ってタイミングで、私が
      のこのこ登山道から現れたらしい。
       超KY(空気読めない)な登山者になってしまった・・・。

  
     千蛇谷におりたとこ。今回は夏道(草地の中)
        をほとんど歩く。
 

  
        山頂方面を見上げる                雪渓を横切るところには
                                         トラロープが張られてた

   
     ヘリコプターに導かれるように登る              ヘリに作業員が次々乗り込む
       (真ん中のトンボみたいな影がヘリ)

    小屋わきの神社を参拝したあと山頂ピストンに出かける。大きな岩が折り重なった
      ようなゴツゴツした山頂は10年来の憧れだった。山頂はガスっていたけれど、やっと
      ここまで来られたなあと感慨深かった。山頂から下る途中にまたあの年配グループ
      とすれ違う。「孫がおりてきたぞー」と今度は言われる。「おおっ、孫は早いな〜」
      「さすが孫だ!」と口々に言う。「74歳の爺はかなわんよ」というのでびっくり。
      とてもそんなお年には見えない。そりゃ「孫」と言われても納得だ(^。^;)。
      それにしても本当に元気なグループでした。

  
         神社のわきに貼ってあった案内板        小屋周辺は建物がたくさんある


  
       ゴロゴロした岩を登り山頂へ                やっとここまで来られました(涙)

  
                                       神社の後ろが山頂(新山)方面。


    下山は外輪山経由で、湯ノ台コースを降りることにした。時折岩場歩きや数段の
       梯子がある外輪山を歩くと、登りで抜かした女性2人組が登ってきた。「あ、さっき
       の美しい人がおりてきた!」と言う。何のことかと思ったら、私が背筋を伸ばし
       歩く後姿を見て「歩き方が美しい」と話してたそうな。
       「後姿」か〜。後ろ姿ねぇ。。。。(-_-) そして歩き方ねぇ。。。。 わはは。


       
       
        七高山方面へ登る                 近づくと見た目より急じゃなかった
         


    
         小屋からの道を振り返る              外輪山には時折ハシゴも現れる
 
             
               外輪山から新山付近を見る


     湯ノ台コースとの分岐に到着。湯ノ台コースはバス停のある家族旅行村まで
      は長丁場だし、途中、大雪渓と呼ばれる箇所を通過するのでもと来た鉾立コースを
       戻ろうかと迷う。分岐に居合わせた地元のかたに聞くと、大雪渓は年によって
       状況は変わるけれど、この時期なら夏道を歩く箇所が多く、アイゼンピッケルなし
       でも問題ないとのことだったので、予定通り、家族旅行村まで歩くことにする。



     下り始めて間もなく大雪渓を横切る。ステップが切ってあるのでゆっくり行けば
       問題ない。2〜3度雪渓を横切ったり、夏道を歩いたりしていると河原宿小屋に
       到着。ここから振り返る鳥海山は1枚の絵のようで奇麗だ。河原宿小屋でのん
        びり過ごすのもいいなあ。テントが張れないのがちょっと残念に思うくらい良い
        ロケーションだ。そこから花畑の中をひと下りで滝ノ小屋。その近くまで車道が
        通っているので、マイカーの人はここを起点にできる。
        私はバス停のある家族旅行村までまだ2時間くらいくだらなくてはいけない。


   
            大雪渓を横切る                   ここも横切るところにトラロープが。

     
      河原宿小屋                      ここから見る鳥海も良かったな〜


  
     お花畑の八丁坂を下る                   滝ノ小屋が見えてきた



                   
                  滝ノ小屋への分岐。小屋へは行かず、
                    家族旅行村方面へ。


     滝ノ小屋との分岐からは、最初は刈り払いされて間もない明るい道を行く。
       雲が切れ、裾野の雄大さが目に飛び込む。やがて、潅木帯から癒しのブナ林へ
       と植生が変わるとともに、足元もいやにツルツル滑る石がメインとなる。
       ツルリンツルツル転げるようにどんどん下る。
       熊でも出そうだとビクビクしながら、どんどん下る。
        バスの時間も迫ってきて、少々焦る。やっとこさ「旅行村」の看板がある「横堂」
        まできて、そこからひと頑張りで家族旅行村にたどりついた。


  
     ゆるゆると下る                       刈り払い済みで歩きやすい

                
                  広い裾野にすいこまれるように下っていく  


      
            森の中は苔むした石の上を歩く。つるんつるん滑りながら歩く(汗)。     

   
    
          やがて癒しのブナ林へ。いろーんな鳥海山の顔が見られて幸せ!


       
        バスの時間が迫り焦る               家族旅行村に到着。
     やっと家族旅行村への最後の分岐に到着        平日だからか誰もいなく静かだった  



     ふぅ〜。歩いた歩いた。明日から、朝日連峰の縦走が始まるっていうのに、
        ちょっと頑張りすぎたかなぁ(^。^;)。
        それでも、鳥海山のいろんな顔が見られたので良かったことにしましょう。
          
         ※この日は、翌日からの山行(朝日連峰縦走)のために、合流場所となる
          鶴岡駅まで移動しました。





       家族旅行村からは酒田市営の乗合バス(ぐるっとバスとるんるんバス)を乗り継いで
       酒田駅まで出られました。ぐるっとバスと、るんるんバスは1回100円なので、酒田駅
       まで200円で出られます。
         ※家族旅行村→八幡中央公民館前→本間美術館前
                      (乗り継ぎ)     (酒田駅に一番近い停留所)

       ただし、八幡中央公民館前から本間美術館前までるんるんバスが運行していない
       曜日もあるので、その場合は八幡中央公民館前から日本海病院行きの庄内交通
       バスに乗って酒田駅前で下車します。
       また、るんるんバスはあちこち迂回しながら行くのでかなり時間がかかります。
       時間節約をしたい場合は、庄内交通バスで酒田駅まで出るほうが無難です。


       ※鳥海山登山ガイド酒田市のサイトを参照





  山行記録[年別/地域別/季節別]