◆◆ 山ん中 ◆◆
林道をテクテク歩き、トンネル手前にかかるコモド橋の手前から左手の林道へ入る。
資材置き場のようなところを右手から回り込む。踏み跡はさらに沢沿いに伸びていたが、
いやらしく残った雪にはばまれたので、無理やり急斜面をとりつくことにした。
車道のわきはまだこんなところも コモド橋の手前から左へ入った
出だしから急斜面の藪に苦しめられる。ツバキだから藪自体は序の口なのだけれど
傾斜がきついので難儀するがやがて右手からはっきりした踏み跡が現れる。
コモド沢をもう少し奥まで入れればこの踏み跡を使い、尾根に取り付けるのかもしれない。
やぶやぶ〜 踏み跡と合流すると楽になった
多少藪っぽいが奇麗な新緑の中、高度を上げるとやがて雪の斜面を横切る。ここが
第一発電所からの尾根と合わさるところのようだ。
残雪を横切るところが分かりにくい
一旦は顕著な尾根道となる。時折左手の残雪に乗るが大概藪の中のしっかりした
踏み跡をたどった。隅に材木が積み重ねられた小さな広場のあたりが「うどのくびれ」
というようだ。木にぶらさがったままのヤカンはいつからあるのだろう。
うどのくびれ やかんがぶら下がる
広場からわずかに下った鞍部に左から沢が近づいていた。さすらい人さんの記録を見ると
848m地点への稜線へは、鳥坂峰まで高度を上げなくても、この沢(時期によっては
伏流水になるようだ)を渡った尾根をたどれば良いそうだ。
そちらの尾根にも踏み跡があるらしいが、離れて見た感じでは藪藪にしか見えない。
沢を左手に見送り、鞍部から尾根に取りつく。やがて鳥坂峰の肩への最後の急登の
取り付きに出る。地形図では左へ大回りしてから尾根にのるように道が描かれている
ので、そちらの藪の中で踏み跡を探してみるが見つけられず、藪こぎしながら鳥坂峰の
肩まで上がる(結局、最短の急な尾根上に踏み跡はあった)。
ここから左へ大回りしてみたけれど・・・
結局、踏み跡は見つからず藪へ突入 雪に乗れるようになると楽
この足跡は!!
山頂まであと一息
時折、薄くなる踏み跡をたどりながら雨量計がある鳥坂峰に到着。
山頂付近から大熊小屋が見えたという記録もあったが、結局分からなかった。
雨量計のある山頂 こしあぶラーメン
北東方面は視界があったが他は樹木に隠され展望は無い。大境山や枯松山と思しき
山や朝日連峰を眺めながら静かな山頂でこしあぶらーめんの昼食。休憩しながら
大熊小屋へ下る尾根はどれかなとあれこれ妄想をふくらませたあと下山にかかる。
往路と、胎内第一発電所との分岐地点は、尾根が広くなっていて良く分からずに
うろうろしたが、胎内第一発電所への尾根に乗ってしまえば踏み跡はしっかりしていて、
落ち葉がふかふかし、とてもいい道だった。
ブナの新緑、ツバキやツツジにヤマボウシ。自然を満喫しながらゆるやかに高度を
下げる癒し系の道。「花がいっぱい!」「癒される〜」「また来たいな〜」。
のんびりそう思ったのは甘かった。
「山ん中に変なものがある」先を行くいちごちゃんが言う。見れば給水塔らしき円柱型
の人工物だった。そちらに延びていた踏み跡も建物のところでとだえてしまう。
目指すべきアスファルトの車道がだいぶ近づいてきたのに、どうやってそちらに降りれば
いいのか分からない。
周辺をうろうろし、奥に立派なロープがつけられた道を発見したので、「これで下山できる!」
と喜んだものの下っていくうちに山腹を巻きはじめ、発電所の施設につきあたり、道がとだえて
しまった。え〜〜!?
結局、給水塔(?)のところまで戻り、そのまま藪に突っ込み無理やり標高を下げる。
一旦、林道に出て、先ほどののあやしい給水塔の直下から落ちている発電所施設の
巨大パイプところに出た。と、パイプのわきに延々と階段がつけられていたのに気付く。
上からみたときは気づかなかったけれど
パイプわきに階段があった。でも歩くのは怖そう・・・。
やぶこぎしなくてもあの階段を使えば降りてこれたねと話すものの、スキーのジャンプ台
くらいの斜度があるうえ手摺もないアヤシイ階段を降りるのはとっても怖そうだ。
私にとっては、恐ろしげな階段より、エライ藪のほうででえがった。
林道に出たからひと安心と思ったら、それも下の道路までは単純につながっていないようで
うろうろしたあげく、藪化した石段をみつけ、やっとこさ車道に出られた。
ふぅ〜。藪道よりも人工物に翻弄されたなあ。
あとはテクテクとアスファルトの道を歩いて車へ戻るだけ。行きに比べれば車道歩きも
距離が格段と短く、うすらぼんやりした新緑グラデーションを楽しんで歩けた。
「山笑う」いい季節になったもんだ。
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