◆山小屋のオヤジ いまや、山小屋で生ビールが飲めたり、ケーキセットが食べられる時代。私も、「燕山荘でのジョッキの生」を励みに合戦尾根を登ったものです。山小屋もサービス業としての役割まで求められる時代になってきたようです。 けれども、やはり私が好きなのは、トタン屋根が眩しい、一見強面なオヤジさんが守っている山小屋。やっとこさ1日の行程を終え到着したら「おうっ、お疲れさん」。出発するときは「気をつけてな!」。これが良いですね〜(^^) ※ちなみに、私の部屋には、甲武信の小屋のオヤッさんとの ツーショット写真が飾られています(^^)。 学生時代、南アルプスに行く時、「あそこのオヤジは怖いぞーー」と 先輩におどかされ出発しました。2泊目、ドキドキしながらその小屋に到着すると確かに、人相の悪いオヤジが小屋の前に座っていました。私たちがザックをおろしている傍で、石をバーベル代わりに体を鍛えています。 「おい、お前がテント受付してこいよ〜」。皆が押し付けあっていると、おう!ご苦労さん!」オヤジさんが話しかけてくれます。「水は小屋にもあるが、10分ばかし下りると、うまい水があるんだ。行ってこいよ!」な〜んだ。ぶっきらぼうだけど優しいオヤジさんだー(笑)。 翌朝も、ご自分の好きなコースを教えてくれたり、とても親切で温かなかたでした。 さて、私にはもう一人、心に残っている山小屋のオヤジさんがいます。夏山合宿中、メンバーの一人が大火傷を負い、自力下山ができなくなってしまうということがあったのですが、ヘリを待ちながら一晩お世話になった小屋のオヤジさんです。 平気で登山者に「バカヤロウ!」と怒鳴りつけるオヤッさんでしたが、私たちの行動食(ビスケット・チョコレートなどなど)を見て、「おっ、こういうの良いね〜〜」とニッコニコ(^^)。あれー、もしかして優しい人なのかも、という予想は当たり、水を分けていただいたり、お手製のカレーのごった煮をいただいたり、本当に良くしてくれました。 水を汲みに行くときには「水場はコケがいっぱいだ。転んで頭かちわるなよ!」。と見送ってくれました。ぶっきらぼうだけれど、温かいオヤッさんのために、「良いね〜」とうらやましそうにしてたビスケットやらチョコを持って、その小屋に行こと思いつつ、もう何年も経ってしまいました。まだ、オヤジさんはその小屋を守っているのでしょうか。 愛情たっぷりのカレーのごった煮は、本当においしかった・・・。 [追記](2001年11月17日) 今夏、上で書いたオヤっさんの小屋に行ってきました。 小屋もオヤっさんも当時のままで懐かしく嬉しくありました。 →山行記 |