● 添乗日記2 
     
          やれば出来るのだ(笑) 
     

     19996月 某公立中学校  林間学校 (In 新潟県)
    前のページの林間学校の第2日目。「農業体験」のプログラムがありました。
       いつもは、スーツの私達も、今日はポロシャツ+チノパンというラフな格好に
       なります。私が同行・添乗したのは、『ニワトリの世話+田んぼの草取り』を
       するグループです。

    「ニワトリの世話」といってもピンとこないが、単に餌をやるだけでも、「餌を
       つくる」ところから始めるので、案外手間がかかるもの。餌の材料はハコベや
       藁、それから貝殻まで様々です。「卵が栄養タップリ」ということに妙に納得が
       いきます。

    今回お世話になった民宿の庭先で、小屋掃除をしたり藁を刻んだり、貝殻
       をつぶしたりたくさんの作業を順調にこなします。
       自分達が作った餌を食べるニワトリを見て、生徒さんもちょっとホッとした
       様子です?

      て、お次は「田んぼの草取り」の作業です。実は、私も田んぼの中に入っ
       たことは無かったのです。チノパンの裾をグルリと巻き上げ、水田に足を付
       けます。思ったより暖かい。田んぼの中は、ヤゴやゲンゴロウ、おまけに蛙
       までゆうゆうと泳いでいます。虫があまり得意でない私には、泥の暖かい感
       触は良かったけれど、あまり居心地の良い場所とは言えません。


    と、その時、私の背中をギュッとつかむ手が。振りかえると泣きそうな女の子が。

      「キャー、むし!むし!!!添乗員さん、追っ払って〜〜〜!!」 

      ると、その子の担当の畝をゲンゴロウが泳いでいます。
       私も、ゲンゴロウはちょっとな〜と汗をかきつつ、手で、「えいえい!」と追い
       払う。その後も、その子は、「いや〜タニシ!」「キャー!蛙!」を繰り返し、私
       に助けを求めます。2人して、虫と闘いながらふと気がつくと、一番早く草取り
       を終えていました。民宿のおばさんはニッコリ、「よう頑張ったね〜。」といって
       くださいます。

     作業が全部終わると、民宿の方が手作りのパウンドケーキとカキ餅、それ
        から冷たい麦茶を出してくださいました。

     冷たい麦茶を一気に飲み干したあと、ふと、私の背中に、二つの茶色い
       手形
がついていたことに気がつきました。手形の主をふと見ると、さっきの
        泣きべそとは大違いの、ニコニコ顔で友達とオシャベリしていました。

        しい添乗のさなか、ちょっと幸せな気持ちになったひとときでした。


 

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