●●●● 添乗日記4 ●●●●
世間話をしましょうよ
1999年11月 某女子高校 修学旅行 (In 長崎県)
今回の仕事は、女子校の修学旅行。熊本空港から入り、長崎へ抜ける。
女子校というと、「大変だねえ」から「いいなあ」まで、さまざまな声をうけ
ますが、私個人は、とっても大好きな添乗(笑)。
女子高生は、化粧をしたり髪の色もスゴかったり、見た目は恐いけれど、
私にとっては、小学生と同じ。カワイイ存在です。
小学生と同じっていうのにも根拠があるんですよ。習性がおんなじなのです。
「走る」 「怒鳴る」 「歌う」
要は、普通に歩いたりせず、とにかく走り回る。元気。
普通の声の大きさで話をせず、怒鳴るように話す。
気がつくと歌ってる。合唱。歌謡曲が多いけれど、草千里では「大地讃唱」が
出た(笑)。
こんな女子高生を200人も連れ、長崎市内の宿に到着しました。夜景が自慢の
宿も今日は貸し切り。消灯まで、みんな思い思いの時間を過ごしています。賑や
かなロビーで、フロントのかたと他愛もない話をしてると、女の子が私のスーツ
の袖を引っ張ります。
「添乗員さん、世間話しよーよ。」 くりっとした大きな目がニコッと笑います。
「いいですよー。」と言ったものの、さて、何を話そうか(^.^)。
今回の修学旅行や長崎の印象、最近の芸能ネタ、その他もろもろを話し、ふと
こんな質問をしてみた。
「高校生活はどうですか?」
すると彼女からは意外な答えが返ってきました。
「中学のほうが楽しかったかなぁ」
私自身が、大満足の高校生活を過ごしていたし、この子が、友達と大笑いしな
がら話しているのも見ていたから、やっぱりこの答えには、ちょっと驚きました。
「どうして?」と聞くと、「高校のほうが、人間関係が希薄なんですよ。広く、浅く
って感じで。自分は狭く、深くのほうが好きなんです。」と。
「高校生も大変ね」というと、「高校生も大変なんですよ」と、彼女も笑っていいます。
ここまで話したところで、この子は、友達に名前を呼ばれ、「じゃあね、添乗員さん」
と短いスカートをひるがえし、部屋に帰っていきました。
ああ、この子は、世間話の相手じゃなくって、自分の胸のうちを話せる人を探し
ていたのかなあと思いました。
笑って、大声出して、走り回って・・・。200人のパワーあふれる女子高生も、17歳。
やっぱり、いろいろなことを考えるのねえ。ちょっと安心するやら、ますます
カワイイなと思うやら。。。
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