●●●● 添乗日記8 ●●●●
頑張れよっ! 新人!!
2000年5月 バスハイキングツアー (In 富士五湖)
今回の仕事は、某組合のバスツアー。県内各所から、なんとバス28台、
1000人のお客さんが参加しました。天気予報では大雨のはずで、当日の
キャンセルが続出しましたが、現地に連絡すると青空も出てきているよう、
ひとまずホッとして、今日乗るバスとお客さんを待ちます。
お客さんも揃い、バスが発車します。簡単にマイクで挨拶をすまし、ガイド
さんにバトンタッチ。今日のガイドさんは「ガイド1年生」の新人さん、まだ高校を
卒業して2ヶ月も経っていません。制服には「実習生」のバッジが輝いています。
初々しい〜〜〜!!(^○^)
「皆さん!!!おはようございます!!!!」
お〜、選挙のウグイス嬢顔負けのボリューム(笑)。その後も、たどたどしい
挨拶が続きます(笑)。うぷぷ。ものすごい緊張してるのが伝わってきます。
「富士山の標高は、皆なろう(3776)と覚えられます、えーと、さんびゃく
ななじゅう、、、、あれ??」
ありゃりゃりゃ、おいおい、さんぜんななきゃく・・・でしょ〜〜っと、こっちが
ドキドキしてしまいます(笑)。
その後も、「皆さん、左側をご覧ください!!!! あ、あれ??じゃなかった、
み、右側です〜!!!」や、「これから皆さんの左側に見えてくるのは
天然記念物の・・・・、あ、通り過ぎてしまったので、帰りに見ましょう・・・ネ・・」
まで、や〜、やってくれます(笑)。
本人が真剣になればなるほど、こっちは笑いをこらえるのが大変(ゴメン!)。
ドライバーさんに怒られつつも、一生懸命健気に案内する姿・・・・。
「頑張れ、頑張れ」と応援したくなります。
私の初めての添乗を思い出しますねえ。
(といっても、私もまだまだ新米の域なんですけれど)
初めての林間学校の添乗のとき、最後に先生方に「頑張ってね!」「ベテラン
になったら大きな仕事やるからな!」といわれた時も、きっと、私も、この子
のようだったので、思わず声をかけたくなったのでしょうねぇ(笑)。
お天気も良くなり、暑すぎるくらい。4時間の自由散策の時間を追え、日焼け
して、赤い顔をしたお客さんがバスにもどってきます。行きの車中では雲に
隠れていた富士山も、奇麗に顔を出していて、皆「奇麗ねー」とニコニコ顔です。
バスが出発地に戻ってきました。ドライバーさんに「高速のインターをおりて
○分くらいで着くからな、まず、添乗員さんに挨拶してもらえよ」とヒソヒソ教え
てもらっているのが聞こえます。私が簡単に最後の挨拶をし、ガイドさんに
マイクを渡します。さー、出番だ、新人、頑張れ!!
「え、え〜ワタクシ、まだまだ慣れなくて、皆様がたにはご迷惑をおかけし
ましたと思いますけれど・・・・・・。」
「また、皆様がたにお会いするまでには、ひとまわりもふたまわりも生長して
みせます!!あ、あのあの・・・・・ 今日はどうもありがとうございました!!!」
パチパチパチパチ〜〜ッ!!!!!
お客さんは笑顔、笑顔、拍手喝采です!!
や〜、1日が長かったような短かったような・・・。母の気持ち、姉の気持ちで
ずいぶん、冷や冷やドキドキしてしまいましたが、なんとまあ立派な挨拶じゃな
いでしょうか(^○^)。
お客さんが帰り、業務終了。「今日はどうも迷惑をかけてしまって、、、」と
ペコペコするガイドさん。「おう、新人!頑張れよ!!」と思わず背中をポンと
たたいてしまいました。プッと笑うドライバーさん。バスはクラクションを2回
鳴らして帰っていきました。
一人残されふと気づきました。「そう言えば、みんな笑顔いっぱいの旅行
だったなあ(笑)」 みんなを幸せにしてくれた彼女にカンパイ!
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