石転び沢〜北股岳'10
〜へっぴり腰で課題のコースへ〜

日程 2010年5月30日(日)
山域 飯豊連峰
形式 残雪期日帰り(ピッケル&アイゼン持参)
メンバー いちごちゃん、JO
行程 天狗平04:50〜温身平05:10〜うまい水05:50〜石転び沢出合07:05〜北股沢の出合周辺08:35〜梅花皮小屋09:40/09:50〜北股岳10:20/11:20〜梅花皮小屋11:35/11:40〜石転び沢出合12:35〜うまい水13:30〜堰堤14:05〜天狗平14:45
駐車 天狗平(飯豊山荘のトイレを使用)


   
           
 ◆◆ アプローチ ◆


      
天気予報とにらめっこの1週間。今週はいちごちゃんは日曜しか休みじゃないので
         日曜に天気がまあまあだったら石転び沢に行こうということになった。


         石転び沢。

         ずっと行きたかったけど、行きたくなかった課題のコース。
         落石、雪崩、そして何より梅花皮小屋に近づくにつれての急斜面。
         行きも怖いし、帰りも怖い。


         超へっぴり腰の私にとって、苦しい山行になるのは間違いなしだった。
         それでも、去年までに、だいたい一般的な飯豊のコースは歩いていたので、いつかは
         石転び沢も歩きたいなあという気持ちもあった。

         山と高原地図の裏に載っている石転び沢の解説を見ても、時期が遅くなればなるほど
         厳しくなりそうだし、スキーヤーが楽しむくらいのこの時期が良いだろうということで
         自分で自分の尻をたたいて気持ちを奮い立たせ、前泊地の天狗平へ向かう。




       前日(29日)の20時頃、天狗平に到着。駐車場には見たことある車が。
          天狗平ロッジでは春山訓練参加者が集っていることでしょう。今頃みんな盛り上がって
         るかな〜、出来上がってるかな〜と噂しながら、私らも入山祝い。明日天気にな〜れ。


                           

↓↓↓
   
               ◆◆ 山ん中 ◆◆

   

       
4時ごろ起きて出発準備。数人が出発していくがそのほとんどが山菜採りの模様。
           今年から新しくなったゲートの前で写真を撮って私らも出発。




         
                   
                         新しいゲートができていました
                                          木になりきったつもり〜。






 

         今回は12本爪アイゼンをつけるので、重たい冬靴。昨日は軽いトレランシューズで
            袴腰山に出かけていたので、温身平につくまでで「足が重い〜」と早くもお疲れモード。
            先が思いやられます(-_-)



              
                      このときは稜線まで見えていい感じです






         堰堤右側の階段を登り、しばらく夏道を歩きます。登山道はニリンソウからはじまり
            カタクリ、キクザキイチゲ、地面から出たばかりのエンレイソウ・・・・と春から冬へ
            季節が遡ります。うまい水で一服してからやがて雪の上に乗る。
            (ココに3本のスキーがデポしてあった)


             
                           堰堤右手の階段を登る
                            いちごちゃんのザックについてる青いのな〜に? 

      
              
                            テクテク・・・


             
                    「うまい水」でうまい水を飲む
                                復路で汲んで帰りました



            
                     早く雪の上にのりたいな〜


            
                     雪の上に出たところにデポしたあったスキー板
                  帰ってきたときは、アプローチシューズがたくさんデポしてあった


          去年の春山訓練のときは、梶川の出合で苦手な渡渉にてこずったので、早めに
            雪の上に乗れて一安心。それでも、途中、深い割れ目があったり、大きな岩の縁から
            残雪の下をどうどうと音を立てている激流が見えたりしたので、慎重に歩を進める。

              
  


   
  
          石転び沢出合の少し手前でアイゼンを付け、温身平から2時間くらいで石転び沢
             出合に到着。ここからは初めて歩く。あー、緊張する!!
  
             先行者は2名。だいたい20分くらいの時間差があるようだ。
             できるだけ息が上がらないようにゆっくりゆっくり歩く。いっとき晴れそうな空模様
             だったけれど、徐々に稜線がガスで覆われてしまうが振り返れば遠くの真っ白な
             山並(朝日連峰?)が奇麗に見えた。




              
                              石転び沢出合



              
                            上の写真から30分経過



              
                         上の写真から更に30分経過
                          なかなか近づかんのぅ〜



               
                          時折振り返って、遠くの山々に癒されます



              
                          段々傾斜が出てきました



 


   
  
          気づかないうちに徐々に傾斜がきつくなり、漫然と足を置くだけではアイゼンを
             つけた靴でもずるずると滑るようになる。そうだ、キックステップキックステップ。
             北股沢の出合で一旦傾斜がゆるくなるので、そこで休憩し、ストックからピッケル
             に持ち帰る。

             さ〜て、いよいよ梅花皮小屋までの急登全開の斜面が始まる。
             緊張するな〜、深呼吸を2回し出発。


             先行する2名の跡を追うように登っていくが、徐々に、小屋よりも右へ寄り過ぎて
             いるような気がして、我々は最後は左へトラバースしながら梅花小屋直下に出た。
             山頂で軽く休憩をしていると、スキーを担いだ単独女性が1名登ってきた。
             パワーあるな〜、そして何より石転び沢をスキーで滑るなんてカッコイイな〜!!
              北股岳の山頂で言葉を交わすと、2年前、胎内尾根を登ってから泊まった門内
             小屋で泊まり合わせたことが発覚。世の中狭いですなぁ〜。
               またどこかの山で会いましょう\(^o^)/
             


            
                    北股沢の出合あたりでピッケルに持ち替えた


            
                      最後の踏ん張りどころ


                    
                       ホントは振り返る余裕もあまりない ぜぃぜぃ・・・


             
                        小屋が見えた〜〜!!
 


             
                  梅花皮小屋は3年前に一度通過しただけだったので
                             中を見るのは初めてです。




   
  
          ガスガスで何も見えないけれど、北股岳を往復してみる。山頂から反対側が見え
            ないかなと期待するも、やはりガスの中。
            そのうち頭の上だけが雲が切れ、ぽかぽか状態の中、ラーメンタイム。
            ピンポイント予報だと、北股岳山頂は晴れになっていたから、ある意味当たってるなあ。
       

            石転び沢を先行していたかたは、梶川尾根経由で下山するそうな。そちらも薦めて
            くれたものの、石転び沢の「下り」を経験してみたかったし、私達は予定通り往復コース
            で帰ることにした。
            山頂で大休止していると、別のスキーヤーもあがってきて、山頂直下からドロップイン。
            見ていた単独女性いわく「信じられないところから滑っていった!!」だそうな。
            石転びツボ足でひーひー言ってる私には、こんなところから滑るなんてとてもとても
            信じられないことです。ハイ。



               
                          ガスガスの北股岳を往復


               
                         3年前に来て以来の北股岳



               
                        再び梅花皮小屋に戻ります





   
  
          梅花皮小屋に戻り、出発準備完了のいちごちゃんに「アイゼンつけたの?」と聞くと
             「おれはアイゼンつけないよ」だって。周りにいたおじさんが「アイゼンつけないほうが
             早くおりられるよ〜」と笑う。
 
             少し気温があがってきたので、ダンゴがつくのが心配だけど、この斜度とこの雪の硬さ。
             私はやっぱりアイゼンを付けていこう





   
  
          そろりそろりと下り始める。カチカチじゃないけど、もぐるほどでもない。
             「お願いだから、ステップ切りながら降りて!!」前を歩くいちごちゃんに叫ぶ。
             いちごちゃんの足跡をたどりながら「よいしょ、よいしょ」とゆっくり下る。


             「もう、滑っていっていい?」と前からいちごちゃん。
             「あそこ(北股沢の出合の傾斜がゆるむところ)まではステップつけて〜」と懇願。
           
             んが、途中でステップは途絶える。

             見れば、いちごちゃんはぴょんぴょん飛び跳ね、ごろごろ〜と3回転してから滑落停止
             している。
             「楽しい〜〜!!」とご満悦。


             うわーん。


             しかたがないので、自力で超へっぴり腰でせっせと下っていく。
             その間に、スキーヤーがすいすいターンをして滑っていく。気持ち良さそうだな〜。



              
                   いよいよ石転び沢の「下り」です。うーん、ド緊張!!!



              
                  いちごちゃんはあっというまに豆粒大に。
                               ぅお〜〜〜い、待って〜〜〜!!!






   
  
          一番傾斜がきついところはクリア。ここからは持ってきたソリで下っていくいちごちゃん。
             私はアイゼンをはずし、尻せーどで下る。傾斜がゆるむにつれ、尻では滑らなくなって
             来るので、私もソリを出して滑降。わーいわーい。

             さっきまでの緊張はどこへやら。
             んが、途中、右岸から雪が崩れるのを目撃したし、朝より落ちている石も増えている
             し、落石や雪崩などへの注意は必要です。


             そして、石転び沢出合をすぎてすぐに・・・・。
             ゴチッ!!!!!
             雪に隠れていた石か枝か、何か硬いものに尻を強打。

                ★□&%$%*☆◎!!!!!!


              んもう、痛すぎて言葉になりません。


              こういう危険もあるので、良い子のみんなはマネしちゃダメだよ!!

              ここからは尻をさすりつつ、しゃがんだり、大きな段差を下るたびに
              「むぐぐぐぅ〜〜〜」と痛がりながら下山しました。


              いちごちゃんも、「ソリの足ブレーキのしすぎで、股関節が痛い」だって。
              2人ともやりすぎたようです (*_*)

             



   
  
          とにもかくにも、宿題を終え一安心。
             いちごちゃんは「最高の雪質だった」と満喫したようです。
             私は、怖かったけど、このくらいで済んでまだ良かったという感。それはやっぱり
             雪の状態が良かったからだと思います。
             でも、できればあまり行きたくないルートに認定!かな。

              今度、北股岳に行くときは、縦走か、おういんの尾根からかな



            
                  ココは何度でも来たいところです。
                         温身平周辺のブナに萌え萌え〜〜




  山行記録[年別/地域別/季節別]