南アルプス縦走

2001年夏・ポレポレ縦走7日間

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== 第4日目 ==

8/6    T.S.05:25−大聖寺平06:00−赤石岳7:45/08:15−百間平09:35/09:40
   −百間洞テン場10:30
●モーゼも真っ青?人徳パワー炸裂!
   
パラパラ・・・・・。嫌な音。雨だ。4時半出発のつもりで起床・食事し、パッキ
    ングし始めたところで雨が降り出した。学生パーティーや、例の達人は
    もう出発してしまったが、少しテントで様子を見ることにする。

    5時をまわり雨はやんだがあたり一面ガスの海。赤石岳からの展望は
    期待できないが、とりあえず出発することにする。大聖寺平で雷鳥の親子
    に遭遇。「可愛いんだけど、あんまりあなたとは会いたくないのよねー」
    と、天気が悪い時に良く見られるという雷鳥に、冷たいセリフをはいて
    しまう。。。なぜか機嫌の悪い私。天気が悪いからかなと思っていたが、
    その原因は赤石岳避難小屋で判明することに。

    3,030m地点まではまたもや砂礫の大斜面をジグザグ登る。稜線上は風
    が吹荒れ寒い・・・。けれども、小赤石岳を過ぎた辺りからガスが動き始
    めた。太陽がうっすら現れ、ブロッケン現象が見られた時、「ひょっとして」
    と思ったが、みるみる雲が右へ左へと分かれ出す。「モーゼ」のお話(海が
     割れ道ができる)のようだった。

    やったね。富士山の頭も顔を現した。昨日登った荒川岳方面も見えてきた。
    ルンルン気分(死後?)になったのもつかの間、トイレを借りた赤石岳避難
    小屋でシャウトする。「ゲゲゲッ$й☆ёб¢!!(←言葉にならない)」
    そう。月に一度のなんとかの日。あーあ。天気は晴れだが気持ちは雨だよ。
    とほほほほ。

    ちなみに赤石岳避難小屋のトイレは有料(100円)。無断借用の罰は、トイ
    レ掃除と罰金5,000円です、念のため(←トイレの入り口に書いてあった)。

↓↓↓

↑富士山ちらり ↑赤石岳ピーク ↑赤石岳山頂部 ↑赤石岳の名の由来
になった赤い大岩

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●トンカツまであと5分
   
赤石岳から例の如く大斜面をジグザグ下り、馬ノ背と呼ばれる尾根上を歩い
    ているうちに、再びガスが湧いてきた。百間平と呼ばれるところはガスでよく
    分からないが
池塘が広がっているよう?広々としているのでマークを見失わ
    ないように行く。テン場(百間洞)は沢の源頭部にあたり、近づくにつれ石が
    ゴロゴロ。下りで疲れた身にはコタえる(T_T)。

    百間洞の小屋は、夕食にわらじみたいなトンカツが出ることで有名。私も
    今日は小屋に泊まろうかな〜と思っていたところ、2日目から同じ行程で
    歩いている福岡から来たという男性が既にテントを張っていて「やあ!」と
    言う。うーん、おじさんが頑張ってるなら。。。(^^;と私も階段状の広くはな
    いテン場に場所を見つけテントを張る。

    向かいにテントを張っていたのが学生パーティー。どうやら食事は小屋で
    食べるらしく、「♪トンカツまであと10分〜〜」「♪あと5分〜〜〜」と盛り上が
    っているのがウラヤマシイ・・・。

    百間洞は、テン場と小屋はやや離れている。テン場の脇に沢も流れている
    が、小屋の人は小屋脇の給水施設の利用を勧めていた。トイレは小屋の
    一階部分にある。ここも水洗(下を水がサラサラ流れている)。

== 第5日目 ==

8/7 T.S.05:00−大沢岳との分岐06:00/06:05−兎岳07:50/08:00−聖岳10:00/10:20−小聖岳11:05−薊畑分岐11:50−聖平小屋12:10
●百間洞からは近道で稜線へ
    午前2時。カンカンカンカン!!な、なにごと!?驚いて目を覚ます。
    隣の学生パーティーのテントから鍋をたたく音がする。強烈すぎる
    目覚ましだ。おいおい、こっちも目が覚めちゃったよ・・・(+_+)。

    今日は聖岳を越えて、聖平へ向かう行程。コースタイムで7時間を越す
    長丁場。今回の山行出発前に、Mさんより貴重な情報をつかんでいた。
    百間洞の小屋の裏手から、聖岳方面への近道があるという。
    なるほど、小屋の脇に「聖岳 近道」と書いた標識があった。この道を
    使うと、大沢岳に登らなくて済むのだ。もちろん、テントを撤収後は
    こちらの道を行くことにした(^^)。
●ここが山頂でいいんだよ。。。ね?
   
「兎岳っていうのは、名前はかわいいがキツイ山だ!」これもMさん情報。
    た、確かにきつい。稜線に出てから「中盛丸山に登る→下る」「小兎岳に
    登る→下る」を丁寧に繰り返す。そして兎岳。地道にジグザグ登った山頂
    からはなんにも見えない・・・。三角点はもう少し西側にあるようだがスルー。
    
    すぐに「兎岳避難小屋」への分岐の標識があったが確認せずにスルー。
    あとで、ここに泊まった人の話を聞いたが、ドアもはずれ夜露を避ける
    程度のところだそう。その人(例の達人)は、薄気味悪かったので、でき
    るだけ離れてテントを張ったそうだ。

    兎岳を下り、聖兎コルからは正面に赤紫の盤岩が見える。エアリアに載っ
    てる「ラジオラリヤ盤岩露出地」のようだ。紅芋色のレキが転がる急斜面を
    しばらく登っていくと、ふいに傾斜がゆるくなり、いつもの串刺し団子の山頂
    標識(ここでは変形月見団子風)が目に飛び込む。

    山頂到着はあっけなかった。後から、今日で4日目のお付き合いになる
    福岡の男性、今回の山行で百名山を完登するという徳島の男性、そして
    陽気な二人組みが到着。この二人組み、途中で抜かした時に、「先に行って
    ガスを飛ばしといてね〜」と言われていたのだが、ガスたちこめる山頂で
    持参のビデオに「約束をやぶった悪いお姉さんです」と撮影されてしまった(-_-メ)。

↑タカネビランジ ↑聖岳への最後の急登 ↑ガスの中の山頂 ↑聖平小屋への木道



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↓↓↓

●広すぎるテン場で久々のアルコール
   
聖平・茶臼のテン場は県営。東海フォレスト系列の山小屋とちょっと雰囲気
    が違うが、それでも随分奇麗な建物。聖平の小屋には乾燥室まであって
    感激。乾燥室で、ガスで少し湿ったシャツを乾かす。

    テン場はとても広く、一瞬どこに張ろうか迷うほど。無造作に、地面から
    にゅっと蛇口だけ飛び出してるそこが水場。トイレはテン場の隅の小さな
    丸木橋を渡ったところ。天気が悪いので、テントでフテ寝してると、どうも近く
    のテントで小宴会が始まったようだ。

    見ると、乾燥室で一緒になったおじさんと、百間洞で隣にテントを張ってた
    兄ちゃんが飲んでいた。「あんたも入りなさい」と仲間に入れてもらい、久々
    にお酒をいただいた。昨年の北ア縦走の時は、毎日こんな調子だったの
    だけれど、今回は5日目にしてようやく宴が開けた(^o^)丿。
●みんな「明日は下山」 ちょっとしょんぼり
   
楽しくなったのもほんのつかの間・・・。皆さん「明日は下山します」と言う。
    せっかく馴染みの顔が何人かできてきたのになあ。ちょっと寂しいなあ。
    小屋の自家発電のモーター音と、下界の渋滞情報を伝えるラジオを聞き
    ながら、テントで一人うとうとするのもいいが、こういうオシャベリも一人で
    山に行く楽しみの一つだったりするのにな。。。

 

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